「起業後の倒産率ってどのくらい?」
「起業してもほとんど倒産するって本当?」
「起業後に倒産しないためにはどうすればいい?」
このように悩んでいるのではないでしょうか。
たしかに、なんとなく起業して生き残れるほど起業の世界は甘くないです。
しかし、戦略を立てて堅実に事業を続ければ、倒産率を下げられます。
当記事では、起業後の会社の倒産率と、倒産しないための方法を解説します。
起業1年後の倒産率は約3割
経済産業省の調査によると、新たに立ち上げた企業が1年後に生き残っている確率は約72%です。
つまり、1年後の倒産率は約3割ということになります。
10年後には9割以上が倒産していると考えると、起業倒産率はかなり高いことが伺えます。
データを具体的に見ていきましょう。
10年、20年後にはほぼ倒産している
10年後には6.3%、20年後は0.39%と起業生存率が低いことから、会社を起こしてもほとんど倒産してしまうことがわかります。
気軽に起業して生き残れるほど起業は甘い世界ではないのです。
逆にいうと、事業を存続できれば競合がどんどんいなくなっていくので、自社の生存率を高めることに全力を注げばいいとわかるでしょう。
以下の記事で起業失敗の原因を学び、成功するためのポイントを知っておきましょう。
起業した人のほとんどが失敗してしまう3つの原因を知る
3〜4年経つと経営が安定する
ベンチャー企業は3〜4年経つと経営が安定し、その後の生存率は前年比93%とだんだん生き残りやすくなります。
創業期を抜けた会社は経営方針も定まり、取引が安定してくるので、簡単には倒産しづらくなるのです。
創業期をうまく乗り切って事業が軌道に乗れば、多くの企業は成長期に入ります。
事業が急速に拡大し、売上増加するので、新サービスをリリースしやすくなったり、市場シェアを拡大できたりします。
成長期のうちに事業を一気に発展させられれば、その後の生存率がさらに上がります。
個人で続けると生き残りづらい
個人で行っている場合は事業の安定までに5〜7年ほどかかり、その後の生存率も前年比86%程度と生き残りづらい現実があります。
事業を行うには販売、マーケティング、財務、経営管理など様々なスキルが必要です。
全てを1人で行うのは無理があり、特に苦手な仕事にリソースを割いてしまうと、事業拡大に使える時間が足りなくなってしまいます。
事業が拡大してきたら、アウトソーシングしたり法人化して社員を雇ったりして適切に人手を借りると、事業が存続しやすくなります。
起業後の倒産率を下げる5つの方法
起業後の倒産率を下げる方法は次の5つが考えられます。
- 経営に関する知識を学ぶ
- 会計知識を身につける
- 採用戦略を見直す
- 人脈構築に力を入れる
- 他と差別化できる強みを作る
順番に見ていきましょう。
1.経営に関する知識を学ぶ
会社の倒産率を下げたかったら、経営に関する知識は必須です。
雇う側の思考法を身につけなければ、周りの人が付いていきにくくなり、失敗してしまうでしょう。
たとえば、経営者が会社員と同じ考え方をしていると、スタッフのモチベーション管理をする発想が出てきません。
働く意欲を失って休職したり辞められたりしては、仕事が上手く回らなくなってしまいます。
人が離れる会社は倒産リスクが高まります。
2.会計知識を身につける
事業を存続させるには、経営者が会計知識を身につける必要があります。
会社の倒産理由で最も多いのが、資金繰りの悪化です。
事業経営を行う上で収支を正確に把握できず、どんぶり勘定のままなんとなく続けていると、資金繰りが悪化して従業員の給料や税金を払うこともままならなくなります。
給料が払えない会社は信用がなくなり、人がどんどん辞めてしまうので仕事量に対してリソースが足りなくなり、廃業してしまうでしょう。
収支を把握して黒字経営を行うには、会計知識が必須です。
3.採用戦略を見直す
倒産理由によくあるのが人手不足です。
一因として、中小企業なのに優秀な新卒を一般公募で採用しようとしていることが挙げられます。
大学を卒業したばかりの優秀な学生は、よほどの理由がない限り中小企業を就職先として選ばないことが多いです。
新卒ではなく、たとえば主婦や転職先を探している方を戦力として迎え入れると、社会人経験を活かしつつ即戦力として活躍してくれる可能性が高いです。
採用で苦戦しているなら、採用戦略を見直しましょう。
4.人脈構築に力を入れる
事業を上向かせるために、人脈構築に力を入れることも大切です。
人脈があれば、ピンチのときに助けてもらいやすくなるからです。
たとえば、経営者とつながっていれば仕事の話をもらいやすくなります。
優秀な学生やフリーランスとつながっていれば、入社してもらえたり業務委託という形で事業に手を貸してもらえたりします。
経営するなら良い人脈を持っておくと倒産しにくくなるでしょう。
5.他と差別化できる強みを作る
競合と差別化できる強みを作れば成功率が上がります。
他にはない強みでお客様に強く求められ続ける企業になれれば、リピーターがついて、1人のお客様からお支払いいただける金額が大きくなります。
仮に、今日買ってはいけない野菜を雑談で教えてくれる八百屋があるとしましょう。
スーパーでは聞けないアドバイスを聞きたい根強いファンができれば、隣に大型スーパーが建っても八百屋は生き残れます。
他にはない強みを作って、お客様に選ばれる絶対的な理由を手に入れましょう。
起業して倒産しないための資金調達方法3選
起業して倒産しないためには、上手に資金調達して運転資金にしましょう。
資金調達方法を3つ紹介します。
- 日本政策金融公庫
- 助成金や補助金
- クラウドファンディング
それぞれ見ていきます。
1.日本政策金融公庫を活用
日本政策金融公庫は、国が100%出資している政府系金融機関です。
起業したい人を支援する目的で、以下のような融資制度を用意しています。
- 新創業融資制度
- 新規開業資金
- 女性、若者/シニア起業家支援資金
それぞれの制度について具体的に知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
2.助成金や補助金を活用
政府や自治体が用意する助成金や補助金を活用する方法もあります。
融資と違って助成金や補助金は返済義務がありません。
誰でももらえるわけではなく厳格な審査がありますが、受給できたら大きな助けになるでしょう。
使えそうな助成金・補助金があるか気になる方は、以下の案内を見てみましょう。
3.クラウドファンディングを活用する
近年一般的になってきた資金調達方法に、クラウドファンディングがあります。
インターネットを使って多数の人々から小額の資金を集める方法です。
プラットフォームを通じて自分たちのアイデアを公開し、寄付や投資、商品の予約購入などの形で資金を募ることができます。
ただし、プラットフォームに後悔すれば偶然誰かの目にとまって支援してもらえるわけではありません。
SNSでアピールしたり、支援を期待できそうな方と直接話したりして地道に資金を集めましょう。
起業して倒産する確率を心配するより生存率を高めよう
起業生存率から見える倒産率と、倒産を避ける方法を解説しました。
今回紹介した方法を駆使して経営が安定させましょう。
なお、起業しても倒産してしまうのでは、と怖くてはじめの一歩が踏み出せずにいる方は、次の記事に目を通してみましょう。
リスクを最小限に抑えて事業を成功させる方法を無料でお伝えします。
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