「起業とは?誰かわかりやすく教えて」
「起業家ってどんな職業?」
このように悩んでいませんか?
言葉の定義がわかると、ややこしく思える「起業」が少しだけ身近なものに思えてきます。
当記事では、起業や起業家の言葉の定義から、個人事業主、株式会社等の会社の種類の解説まで、詳しくお伝えします。
起業とは、わかりやすくいえば事業を始めること
ここでは「起業」の定義を考えてみましょう。
起業とは、新しく事業を起こすことです。
起業=会社設立とは限らない点に注意しましょう。
以下で具体的に説明します。
起業=会社設立とは限らない
起業というと会社を作るイメージがありますが、実は必ずしも企業を設立しなければいけないわけではありません。
副業でも個人事業主でも、事業を起こせば起業できます。
そのため、起業自体は難しいものではなく、本当に誰でもできます。
しかし、起こした事業を成長させて生き残るとなると話は別です。
たとえば、Webライターを始めた人の10人に9人は廃業するといわれています。
ベンチャー企業の10年後生存率は約6%だとか。
だからこそ、法人であれ個人事業主であれ、事業を発展させるためには経営の知識と戦略が必要なのです。
事業なら副業でも起業
前項で触れたとおり、副業でも事業を行っていれば広義での起業にあたります。
事業を始めれば全て起業といえるからです。
たとえば、企業に勤めつつ副業でプログラミングを行っていたら、起業の範囲に含まれます。
ただし「起業家」となると副業レベルの方を含んで使う人はほぼいません。
お金がなくても始められる怪しくない事業もある
起業と言えば高いハードルが伴い、大きな初期投資が必要というイメージがあります。
しかし、現代では初期費用が0円で始められる事業も増えてきました。
ブログ運営やオンライン講師、オンライン販売等は物理的な店舗を必要としないので、初期費用を抑えられ、実質ノーリスクで起業できます。
だからといって全てが安全というわけではなく、怪しげな事業や詐欺に注意しなければなりません。
たとえば、「初月で100万円稼ぐノウハウを教えます」や「みんなで成功しよう」といった誘いには警戒が必要です。
情報の真偽を見極める力が重要であり、そのためには信頼できる情報源を利用することが大切です。
起業家とは?わかりやすくいうと会社を起こした人
続いて「起業家」の定義を考えていきます。
起業家とは、会社を作って事業をスタートさせる人のことを指す場合が多いです。
個人事業主のことを起業家と呼ぶ人はあまりいません。
似たような言葉と比較して、起業家の定義を探っていきましょう。
- 企業家
- 事業家
- 実業家
1つずつ解説します。
経営まで行えば企業家とも呼べる
「企業家」は、企業経営に取り組む人のことをいいます。
ただ企業の代表に名を連ねているだけではなく、事業をどう展開していくか考えて積極的に経営する人のことです。
なお、英語では起業家も企業家も”entrepreneur”なので、明確な区別はないようです。
事業が発展すると事業家になる
「事業家」も事業を行う人なので似たような意味合いです。
現代では、起業家の中でも事業を上手く進める能力のある人のことを事業家と呼ぶケースが多いようです。
英語では、起業家と同じく”entrepreneur”と訳します。
実業家と起業家の違いは事業を起こすかという点
「実業家」は生産から流通、販売を行う人のことです。
現代では、以下の使い方をする場合もあります。
- 肉体労働を伴わない業務で生計を立てている人
- 複数の事業を成功させた人
- 次々と新たなことに挑戦して結果を出し続ける人
起業家と違って、英訳すると”businessman”になります。
起業の種類とは?わかりやすく解説
起業とひとくちにいっても 個人事業主も法人も、事業を起こせばすべて「起業」です。
なお、法人は以下の4種類に分かれます。
- 株式会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
それぞれ違いを解説します。
個人事業主
個人事業主とは、個人で事業を起こして仕事をする人のことをいいます。
税務署に開業届を出すだけで簡単に個人事業主になれます。
収入が少ないうちは法人より個人事業主のほうが税制面で有利なので、はじめは個人事業主として、稼ぎが大きくなったら法人成りする人が多いです。
法人化する目安の利益額が気になる方は次のページをご覧ください。
株式会社
法人を設立する際に一番人気なのが株式会社です。
株を販売できるので、外部から出資を受けたい場合や上場を目指す場合は株式会社を選択しましょう。
ただし、株式会社を設立する際は開業資金に20万円ほどかかる点に注意しましょう。
また、株式の買収によって会社の実質的な経営権を握られてしまう可能性もあります。
なんとなくかっこいいから、と安易に決めずにデメリットを踏まえた上で決めましょう。
合資会社
合資会社とは、有限責任を負う社員と無限責任を負う社員で構成される、最低2名から成る会社です。
有限・無限責任社員とは、具体的には次のような人のことをいいます。
- 有限責任社員:会社が負債を負った場合、会社の設立時に出資した金額までの責任を負う社員
- 無限責任社員:会社が負債を負った場合、全額を支払う責任がある社員
リスクは大きいですが、無限責任社員は積極的に経営に参画できるメリットがあります。
合資会社のもう1つの大きな特徴は、設立時の出資方法として労務出資や信用出資が認められていることです。
- 労務出資:スキルや専門知識の提供、つまり労働を出資として扱う
- 信用出資:強力な信用力を持つ投資家が、自身の信用を担保として出資する。投資家の名声やネットワークを利用して事業を支援することが求められる
これにより、かなり設立費用を抑えられます。
合同会社
合同会社は構成する社員が有限責任社員のみの会社です。
合資会社で無限責任社員全員が辞めた場合、自動的に合同会社となります。
2006年の会社法改正時に新しく制定された、近年人気を集める会社形態です。
出資比率に関係なく1人1票の議決権を持って意思決定を行う、人に重きを置く組織体で、代表の名称は「代表社員」となります。
定款内容の自由度が株式会社よりも高いため、個々の事情に応じた定款を作成可能です。
ただし、社員同士が対立した場合は、自由度の高いことがデメリットに転じる可能性があります。
合名会社
合名会社とは、無限責任を負う社員のみで構成される会社です。
構造的には「組合」に近いです。
合資会社の有限責任を負う社員が辞めてしまい、無限責任社員のみになると、自動的に合名会社になります。
社員全員が業務執行権と代表権をもっているため、複数の個人事業主の集まりと捉えることも可能です。
万が一会社が負債を負った場合、全員で全額負担することになるため、リスクが大きいとして設立数が年々減少しています。
起業はわかりやすく考えれば難しくない
「起業」の定義から「起業家」とそれに類する言葉の定義、会社の種類等を解説しました。
起業というと自分にはできない難しいことのようなイメージを持たれがちですが、副業や個人事業主も含めて起業と考えると身近に感じるでしょう。
起業に少しでも興味を持った方は、次の記事も併せてご覧ください。
はじめは誰かの事業を手伝いながら、徐々に自分のやりたいことに軸を移していく低リスクな起業方法を紹介しています。
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