「60歳で起業するなんて遅すぎる?」
「60歳で起業して成功した人がいるのか知りたい」
こんなふうに考えていませんか?
60歳で起業しても遅すぎるなんてことはありません。
ただし、老後の趣味程度に「ゆる起業」をすると失敗する方も少なくありません。
当記事では、60歳で起業して成功した2つの事例と、成功・失敗する人の特徴をお伝えします。
60歳で起業して成功した事例2選
60歳になっても起業するには遅すぎることはありません。
実際に60歳前後で起業して成功した方の事例を2つ紹介します。
社会人経験も豊富な60歳からの起業には、次のパターンがあります。
- 前職の経験を活かして起業したパターン
- 未経験分野で起業したパターン
それぞれの事例を1つずつ見ていきましょう。
前職の経験を活かして起業した出口さん
出口治明さんは、ちょうど60歳の頃にライフネット生命保険株式会社を開業しました。
出口さんはもともと日本生命の子会社で働いていました。
その頃の伝手で知り合った方に「一緒に保険会社を作りませんか?」といわれて「はい」といってしまったため起業したそう。
「保険料を半分にして、安心して子どもを産み育てられる社会を作りたい」という理念のもと約80億円もの出資を受け、本当に信頼できる仲間だけを集めて事業を成功させました。
理念を実現するために少数精鋭をつらぬくライフネット生命は、急成長を遂げた今でも社員が約90名しかいません。
「少数だから精鋭になる」というモットーのもと、無駄を省きつつ結果を出す組織作りをしたことで、上場企業になりました。
60歳を前に趣味を活かして起業した古田さん
株式会社JTL代表取締役の古田弘二さんは、犬の散歩がきっかけで「愛犬のお散歩屋さん」を始めました。
会社員時代はカネボウで化粧品販売のために全国を駆け巡っていたという古田さん。
50代で早期退職した際に、後輩たちからプレゼントされた愛犬クッキーが、後の事業パートナーになりました。
散歩中に「うちの犬も一緒に散歩してもらえませんか?」と声をかけられたことで、犬の散歩を外注したいニーズがあると気づき、事業化したそうです。
実は退職後、ある新規事業に携わって頓挫した経験を持つ古田さん。
一度失敗して途方に暮れても再起できる良い例です。
60歳以降のゆる起業で失敗する事例も
60代の方の間で「ゆる起業」が流行っているようです。
ある程度お金も社会人経験もあるので、利益を目的としない事業を趣味程度に楽しもうというものです。
一見有意義で楽しそうに見えるゆる起業ですが、以下の落とし穴があります。
- 自分の好みを前面に出しすぎる
- 老後の生活資金で事業を行ってしまう
- 別分野では新人であることを忘れて事業を行う
以上に当てはまると事業に失敗するだけでなく、老後の資金を使い果たして困窮してしまう可能性があるため、要注意です。
具体的に見ていきましょう。
自分の好みを前面に出しすぎる
自分の好みを前面に出しすぎると失敗しやすくなります。
お客様のことを考えない、独りよがりの事業は共感を得られないからです。
仮に、自分の好きな駄菓子しか並べないお店を開くとしましょう。
たまたま近所の子どもたちに人気が出ればいいですが、お客さんがつかなくて店をたたむケースが多いです。
採算が合わず事業を続けられなくなる事態を防ぐには、市場リサーチをしてお客様のニーズを考えながら事業を行いましょう。
老後の生活資金で事業を行う
老後の生活資金をゆる起業に充ててしまうと、生活に支障が出る可能性があります。
若い頃のようにアルバイトの掛け持ちをして乗り切れる体力がないので、お金もお金を稼ぐ体力もない状態になってしまうと破産してしまうかもしれません。
貯金がなく、収入源が年金しかないのに、それを使って事業を行うのは大変危険です。
事業資金は生活資金とは別に用意しましょう。
別分野では新人であることを忘れて事業を行う
新規事業を行う際は、新人であることを念頭に置いておきましょう。
前職の経験がある分野だったとしても、起業家としては1年生です。
会社で新人が学生の頃の常識を振りかざして仕事をしていたら上手くいかないのは容易に想像できるでしょう。
新しいことに取り組む際は、謙虚な気持ちで学び続けることを忘れないよう気をつけると、成功率が上がります。
60歳で起業に成功した事例の共通項
60歳で起業に成功した方の共通項は以下のとおりです。
- 周りの意見を素直に取り入れる
- 好きや得意を活かす
- 焦って事業拡大しない
いくつになっても柔軟な対応力を持ち続けられる人は成功します。
それぞれ見ていきましょう。
周りの意見を素直に取り入れる
周りの意見を素直に取り入れられる60歳は、新規事業を立ち上げても上手くいく可能性が高いです。
どんなに耳の痛いアドバイスを受けても、人格を否定されたと勘違いせずに素直に聞いて取り入れられる人は、間違った努力をせずに済むでしょう。
素直に聞いていれば、アドバイスしがいがあると思われ、さらに有益な情報をもらいやすくなります。
その結果、成功への道を導かれるように最短ルートで進み、事業が拡大していきます。
好きや得意を活かす
好き・得意な分野で起業すると成功しやすくなります。
先ほど紹介した2人の起業家も、出口さんは得意分野、古田さんは好きを活かして起業しています。
事業を軌道に乗せて成功させられる人は、常に仕事のことが頭の片隅にあって、目の前の物事が事業にプラスになるか考えているものです。
そこまで考え続けるには、好きもしくは得意なことでないと辛くなってしまうでしょう。
好き・得意な分野で起業すると、続けやすく成功しやすい事業になります。
焦って事業拡大しない
会社を大きくしたいからといって、焦って事業を拡大しないよう気をつけましょう。
まだ1つの事業が軌道に乗っていないうちに、他の事業に手を出すと、どちらも中途半端になってしまいます。
たとえば、花屋を始めたばかりでまだ経営が安定していないのに、ケーキ屋さんを始める人はいないでしょう。
上手くいかない店を2種類も開いて両立させようとしても、手が回らなくてどちらも失敗する未来が目に浮かびます。
事業拡大を目指す前に、着実に事業の地盤を固めて安定させることを目指しましょう。
60歳で起業しても成功できた事例を知って挑戦しよう
60歳前後で起業して成功した事例を2つ紹介して、失敗・成功要因を論じてきました。
シニア起業で成功する方々は「もう若くないから…」と言い訳して挑戦を止めたりしません。
実際、古田さんは「85歳まではみんなで元気に頑張ろう。それまで楽しく好きな仕事ができれば本望でしょう!」とおっしゃっていました。
成功者のマインドを見習って、失敗を恐れずに挑戦すれば、きっとあなたも起業できます。
それでもリスクが怖くて挑戦できない方は、まずは失敗確率の低い起業方法を学んで始めの一歩を踏み出しましょう。
失敗確率の低い起業方法については、以下の記事で詳しくお伝えしているので読んでみてください。
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