「起業するためにお金って借りていいの?」
「どこから融資を受けられるの?」
「自分に合った方法でお金を借りたい」
このような気持ちをお持ちではないでしょうか。
国の制度や、補助金制度を利用することで、安心して起業準備が進められます。
当記事では、起業するときにお金を借りる方法3選と、気を付けるポイントについて詳しく解説します。
起業時にお金を借りる方法3選
起業するときにお金を借りる方法は、以下の3つになります。
- 日本政策金融公庫の創業支援の融資
- 補助金・助成金
- 他企業からの出資
それぞれ制度の内容が異なるため、借りる前に内容をしっかりと理解しておきましょう。
1.日本政策金融公庫の創業支援の融資
日本政策金融公庫は、国が100%出資している政府系金融機関です。
起業・開業時に利用できる融資制度は以下のとおりです。
- 新創業融資制度
- 新規開業資金
- 女性、若者/シニア起業家支援資金
日本政策金融公庫の融資を受けたい場合は、事前に公式ホームページから予約してオンライン(Teams)相談が必要です。
新創業融資制度
新創業制度は、単独では使えず、他の融資と組み合わせが必要です。
「新創業融資制度」の特徴を以下の表にまとめましたので、融資を受ける前の参考にしてください。
融資対象となる方 | 新たに事業を始めたい方事業開始後おおむね7年以内 |
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
返済期間 | 各融資制度に定める返済期間以内 |
基準利率 | 1.93~2.90%法人代表を保証人にした場合:利率が0.1%軽減 |
保証人 | 原則不要・法人代表者のみ保証人可 |
引用:新創業融資制度|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の審査に通るために、事業計画をしっかり立てておきましょう。
融資を受けるためには、事業の実現性が高く、返済能力に問題のないことが求められるからです。
また銀行系のローンや、税金や家賃などの支払い遅延や滞納があると、審査に通りづらくなるため、支払期限の厳守が重要です。
新規開業資金
「新規開業資金」は、女性やシニア、起業に再チャレンジする方など幅広い層の方の起業を支援する制度です。
新規開業資金では、状況に応じて併用できる融資制度があります。
融資対象となる方 | 新たに事業を始めたい方事業開始後おおむね7年以内 | |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内) | |
運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内) | ||
利率 | 1.93~2.90% | |
担保・保証人 | 要相談 | |
併用できる融資制度 | 無担保・無保証人を希望される方 | 新たに事業を始める方税務申告を2期終えていない方「新創業融資制度」 |
新たに事業を始める方・税務申告を2期終えていない方 | 創業支援貸付利率特例制度 | |
設備投資を行う方 | 創業支援貸付利率特例制度(全国版)創業支援貸付利率特例制度(東日本版) |
引用:新規開業資金|日本政策金融公庫
新規開業資金特有の条件として、起業したい業種と同じ業種の会社に6年以上勤めた人や、創意工夫を加えた事業を提案できる人など、細かく定められています。
条件に当てはまる人は、活用してみてください。
女性、若者/シニア起業家支援資金
「女性、若者/シニア起業家支援資金」は、女性または35歳未満か、55歳以上の方で新しく起業する方が利用できます。
女性、若者/シニア起業家支援資金の特徴は、以下のとおりです。
融資対象となる方 | 女性35歳未満(若者)55歳以上(シニア) |
融資限度額 | 直接貸付 7億2千万円代理貸付 1億2千万円 |
利率 | 2億7千万円まで(土地に係る資金を除く) |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内) |
運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内) | |
担保・保証人等 | 要相談直接貸付において、一定の要件に該当する場合には、経営責任者の方の個人保証が必要 |
引用:女性、若者/シニア起業家支援資金の概要|日本政策金融公庫
融資をしたい場合は、日本公庫各支店の中小企業事業の窓口に申し込みが必要です。
申し込みの際に、事業計画書や見積書の記載が必要となるため、記入漏れが無いかを確かめましょう。
面談や審査が行われたあと、指定口座に入金されます。
2.創業補助金・助成金
「創業補助金・助成金」とは、起業する人が申請できる補助金で、返済不要なことが特徴です。
公的資金から出されるもので誰でももらえるものではなく、申請や審査が必要です。
交付されたお金を事業運営に充てられる一方、申請が通ってもすぐにお金がもらえるわけではないため、注意しましょう。
受給までの流れは、以下の通りになります。
- 事業に合った創業補助金・助成金を探す
- 申請書に必要事項を記入し、申請する
- 選定の結果、受給可能となったら交付申請書を提出する
- 交付決定通知を受け取り、事業を始める
- 事業の内容や経費を報告する
補助金・助成金の対象となる領収書や書類は、補助事業の終了後5年間は保管しておきましょう。
補助金・助成金は、中小企業庁の「補助金等公募案内」から探せるため、活用してみてください。
3.他企業からの出資
他企業からの出資として、以下の方法があります。
- ベンチャーキャピタル
- クラウドファンディング
- 個人投資家
どのような事業であるか、集めた資金で何をしたいのかを明確に伝えることが重要です。
ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルは、成長の可能性が高いベンチャービジネスへの投資を業務とする営利企業です。
投資を引き出すためには、今後どのような事業展開をしていくのか、大きな成長が期待できるかどうかを、しっかりと伝えましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通して一般の方から信金を集める方法です。
SNSの拡散力に影響される資金調達法で、クラウドファンディングを行っていると多くの人に伝える必要があります。
「集めたお金で何をしたいのか」をしっかりとアピールして、賛同を得られるようにしましょう。
個人投資家
創業間もない企業や、事業者などに投資する個人を指します。
起業したてではなく事業展開の途中で出会い、個人投資家の目にとまって融資を受ける流れになります。
個人投資家に届くためには、きちんとした事業計画を立てつつ、ユニークな展開を入れ込むとよいでしょう。
起業時にお金を借りる前に気を付けるべきポイント
こちらでは、お金を借りる前に気を付けるべきポイントを紹介します。
- 起業計画書を作成する
- 借入金返済の計画性が必要
お金を借りるためには、どのような事業を行うかをしっかりと伝えられるようになる必要があります。
起業計画書を作成する
起業計画書を作成し、計画性や整合性があるかどうかの確認しましょう。
日本政策金融公庫の事業計画書の場合、シンプルな計画書になっています。
しかし数字を裏付ける根拠や、追加資料を用意し、計画性があると伝えることが重要です。
借入金返済の計画性が必要
利息を含めた借入金を、無理なく返す計画性を持つ必要があります。
融資は借入金になるため、県債する義務があります。
返済期間や金利、毎月の返済額などを計算し、自分に合った返済計画を立てましょう。
金利や返済期間を検討する
借入金の返済にかかる金利や返済期間は、それぞれの借入方法によって異なります。
金利の高低差は、金融市場の動向や経済状況に左右されるため、借入の時期をよく検討してください。
また返済期間が長い場合は金利が上がり、総返済額が長くなります。
ご自身の状況に合った、返済期間を選ぶようにしましょう。
起業時にお金を借りる前に準備しておくべきこと
お金を借りる前に必要な準備は、以下の3つです。
- 利益を数値として算出する
- 事業の強みを説明できるようにする
- 資金調達の金額を調整する
利益や事業について、融資機関に詳しく説明できるようにしておきましょう。
収支予想を数値として算出する
事業全般でかかるお金の流れを把握し、収支予想を数値で表す必要があります。
収支予想として、以下の数値を算出しましょう。
- 売上高
- 売上原価
- 人件費
- 土地代・家賃
- 広告宣伝費用
- 減価償却費用
収支予想を出した後は、どのくらいの利益が見込めるかを具体的に示すことが必要です。
利益は、原価と必要経費から具体的な数値を出してください。
収支予想は、事業主の数値管理能力の判断材料として利用されます。
現実的な事業だと判断されるために、一貫性のある収支予想を行いましょう。
事業の強みを説明できるようにする
競合他社の状況を把握したうえで、自分の事業の強みは何かを言語化できるようにしましょう。
どのようなターゲットに商品を提供したいか、経営理念は何かをはっきりとさせておくことが重要です。
もし事業の強みが思い浮かばない場合は、顧客に「なぜうちのサービス(商品)を利用しているのか」と尋ねてみてもよいでしょう。
資金調達の金額を調整する
新しく事業を始めるとなると、資金調達が必要な場合があります。
円滑に進めるためには、可能な限り資金調達の金額を減らす工夫が重要です。
事業を始めたばかりだと社会的信用度が薄く、融資審査の際に不利になりやすいからです。
ただしお金がないからといって、信販会社や消費者金融のローンに手を出してしまうと、銀行の融資が借りづらくなるため注意してください。
起業するときの資金について詳しく知りたい方は、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
起業時に賢くお金を借りて事業を進めよう
今回の記事では、起業でお金を借りる方法についてお伝えしてきました。
融資を受ける前や資金制度を利用する前に、ご自身の事業計画を具体的に立てることに加えて、収支予想を数値として出す必要があります。
事業を安心して進めたいなら、今回紹介したお金を借りる方法を方法を試してみましょう。
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