「主婦が起業するためには何をすればいいの?」
「スキルのない主婦でもできるビジネスはあるの?」
「夫に起業の理解が得られるか不安」
このような気持ちを抱えているのではないでしょうか。
起業する前に計画を立てて、手順を間違えなければ、起業が可能です。
当記事では、主婦が起業するために必要な計画と、起業までの手順について詳しく解説します。
主婦が起業するときに必要なのは計画すること
起業するには、計画を練ることが重要です。
また計画を練ると同時に、考えなければならないことがあります。
主婦が起業するために考えるべきことは以下のとおりです。
- なぜ起業するのかを考える
- 個人事業主か法人か検討する
- 扶養や控除から外れる可能性がある
- 家庭との両立ができるかどうか
主婦の場合、起業に関することだけではなく家庭との兼ね合いを考える必要があります。
なぜ起業するのかを考える
主婦が事業を始める前に、なぜ起業するのかを考えることが重要です。
- なぜパートや会社員ではだめなのか
- どうして起業したいのか
- 起業して自分はどうありたいのか
- 何を優先事項とするのか
方向性を考えないまま起業してしまうと、起業の過程で自分を見失いかねない事態に発展してしまいます。
30代主婦のWebライターの場合、ライター業とパートとの両立が体力的に難しいと感じたため、個人事業主として起業すると決意しました。
1年間は事業にフルコミットしたいと伝え、夫の理解を得るために「Webライターとして会社員の収入を超えて、少しでも余裕のある生活をしたい」と伝えたそうです。
このように、目的や価値観を明確にしておくことで、自分の軸がぶれずに事業が展開できます。
個人事業主か法人か検討する
主婦が起業するには、個人事業主か法人かを検討する必要があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
個人事業主
いきなり法人化して会社の立ち上げが難しいと感じる方は、個人事業として起業する方法があります。
管轄の税務署に開業届を提出すれば事業が始められるため、起業のハードルは低めです。
ただし個人事業主は、社会的信用度が低いがゆえに、クレジットカードの作成や、銀行からの融資が受けづらくなります。
法人
事業として売上が1,000万円以上見込める場合は、法人化を選びましょう。
法人化して会社を立ち上げることで社会的信用度が上がり、経費にできるものが増えます。
ただし、個人事業主と比べて起業のハードルが高めなことがデメリットです。
会社を設立するとなると、株式会社の登録免許税で約20万円、法人税で約1万円かかります。
法人化して起業する場合は、初期費用が20万円以上かかると見込んでおきましょう。
扶養や控除から外れる可能性がある
主婦が個人事業主として起業した場合は、年間合計所得により扶養控除から外れる場合があります。
年収103万円を超えると自分の所得税が発生し、年収の壁と言われる130万円を超えると、自分で社会保険料を納める必要があります。
また、法人として会社を設立すると会社の社会保険に加入し、支払いが必要です。
したがって扶養控除から外れる流れになるため、注意してください。
家庭との両立ができるかどうか
主婦が起業するには、いかに家庭との両立ができるかどうかがポイントとなります。
実家からサポートは得られるのか、夫の協力がどれだけ得られるかを把握することが重要です。
例えば、仕事に集中するために時短家電を導入したり、夫に家事の手伝いを依頼したりと工夫が必要になります。
事業と家庭との両立を実現を目指す方は、どのような方法で家庭をまわしていくかを夫婦で話し合っておくとよいでしょう。
主婦が起業するための6つの手順
主婦が起業するために必要な、6つの手順を紹介します。
- 家族へ相談する
- 自己資金の貯蓄をする
- 経営に関する勉強をする
- Webサイトの運営を始める
- 起業に使える制度を把握する
- 会社設立の手続き
それぞれの手順について、解説します。
手順1.家族へ相談する
主婦が起業すると家庭の時間が減るため、夫の理解を得るようにしましょう。
家族の理解がないまま起業してしまうと、生活リズムが急に変化し、家族が不満を感じやすくなります。
夫の理解を得るためには、具体的に以下の内容を伝える必要があります。
- なぜ起業したいのか
- 起業して将来どうなりたいのか
- どのくらい稼げる見込みがあるか
30代Webライター主婦の場合、将来どう過ごしていきたいかと、どれくらいの収益を得たいかを、夫に伝えました。
「Webライターとして稼いで、家族と出かける回数を増やしたい。まずは月5万円稼げるようにして、最終的に月30万円を目指している」と言ったところ、理解を得られたそうです。
もし反対された場合は、押し切って起業するのではなく、反対する気持ちに寄り添って解決できる方法を探すことが重要です。
手順2.自己資金の貯蓄をする
日々の家計とバランスを取りながら、自己資金の貯蓄をするとよいでしょう。
自己資金を貯蓄することで、初期投資や備品購入として使えるからです。
30代主婦はWebライターを始める際に、1年分の貯金を切り崩して、起業の初期投資に充てました。
パソコンや椅子などの周辺機器に使い、すぐに始められたそうです。
子どもがいる家庭や、すぐに貯めるのが難しい場合は、中長期的な積み立てを検討することをおすすめします。
手順3.経営に関する勉強をする
起業をする前に、経営に関する勉強をしましょう。
事業を軌道に乗せて、存続させるためには経営に関する知識が不可欠だからです。
起業前に勉強した方がよい内容は、以下のとおりです。
- 税金
- 集客
- 広告関係
安定した事業展開のために、経営の知識を身に付けましょう。
手順4.Webサイトの運営を始める
家事の合間を使って、Webサイトの運営を始めてみましょう。
Webサイトは、広告や販売活動をするためのコストがおさえられ、使い方に慣れておけば、すぐに広報活動ができます。
もしWebサイトのハードルが高い場合は、TwitterやInstagramなどのSNSを運用してください。
また発信を続けていくうちに、どのような事業をしている人かわかってもらえるため、届けたい顧客に情報が届きやすくなるでしょう。
初めは慣れなくて苦戦するかもしれませんが、少しずつ発信していく意識をもって運営してみてください。
手順5.起業に使える制度を把握する
起業に使える制度がどのようなものがあるのかを把握しておくことが重要です。
開業予定地の情報を集めたり、商工会議所を利用して公的制度について相談してみましょう。
主婦が起業するために使える制度は、以下のとおりです。
- 日本政策金融公庫:女性、若者/シニア起業家支援金
- 東京都 :若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
インターネットでも充分に情報は得られますが、問い合わせ窓口がある場合は、直接電話で確認した方が確実です。
以下の記事でも、起業に使える制度について解説しているため参考にしてください。
手順6.会社設立の手続き
個人事業主の場合は「個人事業の開業届出書」を管轄の税務署に提出することで、手続きが済みます。
しかし会社を設立する場合は、以下の書類が必要になります。
- 定款
- 発起人全員の印鑑証明
- 登記申請書
- 登記すべき事項
- 設立時取締役の就任承諾書
- 印鑑届出書
- 払込を証する書面
- 法人設立届
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 健康保険・厚生年金新規適用届
会社の形態により必要な書類が異なるため、不備がないように確認しておきましょう。
主婦が起業するには確定申告が必要
起業すると事業だけではなく、確定申告を行う必要があります。
1年間の所得税を正しく計算して申告するための手続きで、一定額以上の収入がある人は、所得税を納める義務があるからです。
また必要以上に税金を納付していた場合は、確定申告を行うことで、納めすぎた税金が還付されます。
確定申告は青色で行い、扶養に入っている場合は、所得を130万円未満に抑えるようにしましょう。
理由を具体的に説明します。
確定申告は青色申告を行う
開業届を提出し起業している場合は「青色申告」の書類で申告が必要です。
青色申告は、開業後に「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。
個人と法人では、以下のように日程が異なるため、間違えないようにしてください。
- 個人;開業後2か月以内の提出
- 法人:事業年度開始日の前日
また青色申告の場合は書類作成の量が多くありますが、きちんと申告すれば55万円(最大65万円)の控除が受けられることがメリットです。
扶養に入っている場合は所得を130万円未満に抑える
健康保険の扶養は、夫の加入している保険組合の考え方によって異なります。
例えば、130万円以下で被扶養が可能な場合もあれば、個人事業主であれば被扶養不可なところもあります。
所得が130万円を超えてしまうと、各社会保険料を自分で負担しなくてはなりません。
もし家族の扶養に入っている場合は、ご自身の所得金額に注意してください。
主婦が起業するときにおすすめなビジネス5選
主婦が起業するために、以下の5つのビジネスを選んでみるとよいでしょう。
- 物販・せどり
- オンラインショップ
- Webライター
- 個人塾の経営
- フランチャイズ経営
ご自身の適性や興味のあるものから選び、挑戦してみてください。
物販・せどり
物販・せどりは、商品を仕入れて他者に販売するビジネスです。
実店舗を用意する必要がなく、自宅で商品を仕入れて売るため、副業から始める方もいます。
特別な知識は必要ありませんが、商品の見極めや需要を見極める力が必要です。
もし家電に詳しい場合は、リーズナブルな商品の見分けがつきやすいため、妥当な価格で値段設定ができるでしょう。
オンラインショップ
オンラインショップは、無料かつ少ない費用で開業できるため、主婦に人気なビジネスです。
ターゲットとコンセプトを明確にすることが重要で、商品撮影やパソコンスキルも必要となります。
例えば、ハンドメイド商品をオンラインで販売できる「minnne」や「Creema」で、オリジナル子供服の販売や、便利グッズを売ってみても良いでしょう。
Webライター
Webライターは、インターネット上にある記事を作成する仕事です。
パソコン一台あれば、自分で時間を調整でき、家庭との両立もしやすいため、副業から始める方もいます。
家事や子育てなど、自分の経験を活かした記事執筆ができる場合もあります。
しかし簡単に始められる一方、読者にわかりやすく伝わる文章を書く能力が求められます。
スキルを高めながら、報酬を上げていくことが必要です。
個人塾の経営
自宅の一部が空いているから使いたい、レンタルスペースを借りて運営したい場合は、子供向け学習塾やヨガ教室などの個人塾として開業する方法もあります。
元々接客業をやっていた方や、コミュニケーション能力が高い方にもぴったりです。
他社と差別化するためには、コンセプトを明確にし、SNSでの集客がおすすめです。
フランチャイズ経営
フランチャイズとは、本部から名前を借りて運営する仕組みをさします。
経営ノウハウや商品がすでに用意されているため、主婦でも参入しやすい経営方法です。
まとまった初期費用の支払いが可能で、自己資金のある方に向いています。
経営に不安がある場合は、フランチャイズを活用してみましょう。
主婦が起業するには計画を立てて適切なビジネス選択が大切
今回の記事では、主婦が起業するにはどのような手順を踏んだらよいのかをお伝えしてきました。
主婦の場合は、起業と家庭との両立をしていくために、家族と念入りに話し合う必要があります。
家族の理解を得て、自分が挑戦したいビジネスで起業してみましょう。
例えば、Webライターなどの受託業を最初の軸にして、ご自身の時間を使えるように調整しておき、やりたいことに投資すれば徐々に事業は発展していくでしょう。
もし気になる方がいたら、安心・安全に起業で自由を手に入れる方法を以下の記事でお伝えします。
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