「起業した人の10年後の生存率ってどれくらいだろう」
「起業ってほとんど失敗するイメージがあるけれど、具体的な数字を知りたい」
「起業してみたいけれど生き残れなかったらどうしよう」
このような悩みを抱えていませんか。
たしかに新しい企業の生存率は低く、今年起業した10人のうち9人は10年以内に廃業しています。
しかし、生き残れる1人になる方法はあります。
当記事では、起業して失敗したくない方に向けて、企業の10年後生存率と失敗する主な理由、生存率を上げるための5つの対策を紹介します。
起業した10年後の生存率は約6.3%
ベンチャー企業創業から10年後の生存率は約6.3%といわれています。
9割以上の人が10年以内に廃業するほど、企業を存続させることは難しいとわかります。
ただし、3〜4年経つと企業の生存率があがるというデータもあるので、最初期の厳しい時期を乗り越えれば多少安心できます。
ここでは、経済産業省のデータに基づいて起業後の生存率について考察していきます。
中小企業白書によると1年後の生存率は約72%
経済産業省の調査によると、新たに立ち上げた企業が1年後に生き残っている確率は約72%です。
つまり、10人中3人は起業しても上手くいかず廃業していることになります。
10年後には6.3%、20年後に残っている企業は0.39%と、数字を見るといかに生き残るのが大変かわかるでしょう。
気軽に起業して成功できるほど甘い世界ではないことが見て取れます。
長く続けるほど生存率は上がる
ベンチャー企業は3〜4年経つと経営が安定し、その後の生存率は前年比93%と高めの水準を保てることがわかっています。
不安定な創業期を乗り越え、取引先との信頼関係も強くなってくれば、毎月安定して仕事を取れるようになってくるからです。
ただし、個人で行っている場合は事業の安定までに5〜7年ほどかかり、その後の生存率も前年比86%程度と生き残りづらい現実があります。
はじめは個人で事業を立ちあげるのもいいですが、ある程度事業モデルが構築できたら仲間を増やして法人化したほうが生存率があがるといえます。
起業した10年後の生存率が低い3つの理由
起業した10年後の生存率が低い3つの理由は以下のとおりです。
- 資金繰りの悪化
- 経営戦略の失敗
- 人手不足
失敗パターンを学んで自社の生存率をあげましょう。
理由1.資金繰りの悪化
廃業理由で最も多いのが資金繰りの悪化です。
資金繰りが悪化すると、従業員の給料未払いや税金の滞納につながり、企業の信用を損ねる大問題に発展します。
従業員が不満を抱えた状態では、日々の業務も円滑に回らなくなり、経営側も精神的に追い込まれて正常な判断が下せなくなってしまいます。
こうして負のスパイラルにはまり込むと、さらに資金繰りが悪化して廃業せざるを得なくなってしまうということです。
理由2.経営戦略の失敗
二つ目の理由として経営戦略の失敗があげられます。
掲げた事業計画が時代や顧客ニーズに合っていないと商品が売れません。
たとえば、絶対にAIを使わないという信念を持ちつつ、AIの得意分野にこだわり続けると、仕事がなくなるのは簡単に予測がつきます。
このように、まわりを見て求められる対応ができないと企業は倒産します。
理由3.人手不足
人手不足も失敗理由としてよくあげられます。
少子高齢化の時代に大企業と優秀な新卒を取り合うのは分が悪いといわざるを得ません。
採用窓口は開いているのに優秀な人材が来ないと感じるなら、採用戦略を見直しましょう。
ひとつのやり方に固執すると、人手不足のまま事業が回らなくなり廃業につながる危険があります。
起業した10年後の生存率を上げるための5つの対策
起業した10年後の生存率を上げるための具体的な対策は、次の5つです。
- 売掛金の早期回収や資金調達を検討する
- 集客を見直す
- 採用方法を見直す
- 経費削減につとめる
- 経営に関する知識を学ぶ
それぞれ解説します。
対策1.売掛金の早期回収や資金調達を検討する
最も多い失敗理由である資金繰りの悪化を避けるには、売掛金の早期回収や資金調達を検討しましょう。
いくら売り上げても手元に資金がなければ、収支がマイナスになってしまいます。
特に売掛金は回収できないリスクがあり、何ヶ月も未回収の状態が続くと、売り上げはあるのに手元に資金がない「黒字倒産」に陥ってしまうこともあります。
必要なら企業の運転資金を確保するために、計画的な借入金を申し込んで資金調達を行うことも検討しましょう。
なお、起業当初の資金を工面したい方は以下の記事を参考にしてください。
対策2.集客を見直す
魅力的な商品を持っているのにお客様が集まらないときは、集客方法を見直しましょう。
店舗に商品を置くことにこだわっていたスイーツ屋さんがオンライン集客もはじめたら、売り上げが倍になった例もあります。
その商品を誰が欲しがるのか、他の商品と差別化できるポイントはどこかを洗い出した上で、お客様が商品を見つけられるように売り出しましょう。
対策3.採用方法を見直す
人手不足で事業が回らなくなるのを避けるためには、採用ターゲットを変えてみましょう。
スキマ時間で働きたい主婦や、定年を迎えたがまだまだ元気な高齢者、日本で働きたい外国人等、視点を変えれば優秀な人材はたくさんいます。
どんなライフステージの方でも働きやすい環境を作って採用ターゲットを変えれば、人手不足問題は解決できます。
対策4.経費削減につとめる
王道ですが、経費削減につとめれば資金的余裕が生まれる場合があります。
売り上げが伸びていたとしても、余計なコストがかかっていたら会社に残るお金が少なくなってしまいます。
たとえば、オフィスを借りているなら必要以上に広すぎないか、ほとんど使用していないサブスクリプションを契約したまま放置していないか考えてみましょう。
毎月発生する固定費から見直して経費削減をおこなうことで、事業に使えるお金が増えることが期待できます。
対策5.経営に関する知識を学ぶ
起業後の生存率を高めたいなら、経営に関する知識を学び続けることは必須です。
先人の知識を学んで事業に活かすことで10年後も生き残れる企業になります。
具体的には、次の知識を学ぶと事業に役立つでしょう。
- ビジネスモデルの構築方法
- マーケティング
- 財務・会計知識
- マネジメント
どれも一朝一夕で身につくものではない上に、一度習得したら知識を更新しなくていいのは会計知識くらいです。
企業を取り巻く環境は日々変わるので、常に学び続けて時代に置いていかれないようにしましょう。
起業した10年後の生存率を気にするよりまず事業を軌道に乗せよう
今年企業を起こした人のうち、10年後に残っているのは1割もいないという厳しい現実の話をしました。
9割以上の企業は資金繰りの悪化や経営戦略の失敗、人手不足を理由に廃業してしまいます。
ただし、起業前にしっかり学んで現実的な事業計画を立て、状況に応じて現状を見直せば企業の生存率が上がります。
10年後も事業を存続させたいなら、まず足元を固めて事業を軌道に乗せることに全力を尽くしましょう。
なお、これから起業を考えている方に向けて、誰でもできる低リスクな起業方法を無料で教えています。
気になったらぜひ以下の記事に目を通してみてください。
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